弁護士法人さくらさく法律事務所ブログBlog

法律コラム

交渉の限界

弁護士の櫻田です。

 

弁護士が受任するような案件は、多かれ少なかれトラブルが付きまといます。

その中で、当然、相手方と交渉をする必要があります。

訴訟等の裁判となっても、和解の話を検討することが多いので、交渉とは無関係ではありません。

 

交渉をして、相手方も含めて、お互いに譲歩がなされ、話合いがまとまれば、一応、問題は解決となります(話合い通りに履行がなされるかは別問題として残りますが・・・)。

 

もっとも、弁護士が入る前から話合いもできないような状況になっていた場合には、弁護士が入ったからといって、すんなりと交渉がまとまるわけではありません。

電話や面談して話をすることすら拒否されてしまうこともあり、こうなると、交渉自体できないことになります。

 

さて、現在、受任しているとある給付請求事件の案件(こちらは債権者側)で、任意の交渉がまとまらなかったので、訴訟を提起し、訴訟の中で話合いがまとまり和解したものがあります。

その後、こちらとしては、和解内容通りに支払い等をしてくれると期待していたのですが、和解後直ちに、支払いがなくなり、懈怠条項に該当してしまいました。

依頼者と相談したところ、強制執行をすることになり、強制執行による回収等をしました。

 

ところが、強制執行中、そして、強制執行が終わった後も、相手方から幾度となく、再度、和解をさせてほしいとの打診が続いています。

訴訟後、依頼者はまったく和解の意思がないので、相手方には繰り返しお断りをしていますが、なかなか諦められないようです。

 

相手方の諦められない気持ちはそうなのだろうと思いますが、強制執行も終わっていますので、通常、もはや交渉を期待できるような段階ではありません。

 

交渉をするにも、時間や局面での限界があります。

代理人としては、こうした限界を見極めながら、交渉の余地を探ることが肝要と思います。