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法律コラム

やめる・やらない勇気

弁護士の櫻田です。

 

新しいことにチャレンジする。継続的にやり続ける。行動を起こして目的を達成する。

一般的には、とても素晴らしいことです。

私としても、そう思いますし、自分でもそうしたいと思います。

 

ただ、この仕事をしているからなのか、

年齢的に違った考え方ができるようになってきたからなのかは分かりませんが、

反面、何かを「しない」こともとても大切だと感じています。

 

当事務所では、借金問題のご相談がとても多いですが、

借金の原因でよくあるのが、ギャンブルや投資の失敗です。

 

多額の借金をしてしまった。

給料の範囲では、とても返済できない金額になってしまった。

返済日を過ぎて、督促の電話が鳴り止まない。行き詰ってしまった。

そうだ、ここは一獲千金を狙おう。有り金を全部競馬につぎ込もう。

FXも当たるかもしれない。借りられるだけ借りて、全部投資しよう。

儲けたお金で全額返済しよう。返済しても余剰があるかもしれない。

…結果は、言うまでもないことです。

 

ギャンブルや投資で借金が清算できるなら誰も苦労はしません。

世の中に、一獲千金などという上手い話しはまずありません。

そんなことは考えずに、返済条件を変更するとか、債務整理を弁護士に依頼するとか、

他にやるべきことはあったはずです。

正常な精神状態たり得なかったのかもしれませんが、

ピンチのときこそ、冷静に、ギャンブルや投資といった無謀なことは、

「やめる」「やらない」べきです。

例えば、後で破産したくても、最悪、ギャンブルや投資が借金の原因だと免責されないこともあります。

 

「やめる」「やらない」ことは、ピンチのときに限らず、日常生活でも大事です。

 

何気なくふと思いついたことを友達に話したら、そのことで友達を傷付けてしまった。

良かれと思って知人に物を贈ったが、その知人には不要なもので迷惑となってしまった。

自分では何でもない、むしろいいと思うことでも、他人にはどう受け取られるか分かりません。

そのような場合、せっかくの善意もエゴになってしまいます。

そういう気はまったくないのに、相手に迷惑となってしまいます。

善意だった分、それを受け入れてもらえないと、自分自身も悲しくなってしまいます。

 

冷静になって、やってはいけないことは、やめる・やらない。

自分ではいいと思っても、相手の気持ちを考えると控えた方がいいことは、やめる・やらない。

 

自分のため、周りの人のため、やめる・やらない勇気は持つべきと考えます。

そのためには、冷静な見通しと、周りを慮る気配りが大切ですね。