弁護士法人さくらさく法律事務所ブログBlog

法律コラム

司法試験問題の漏えい

こんにちは、弁護士の櫻田です。

8日に、司法試験の合格発表がありましたね。
今年の合格者数は、昨年より40人増加して1850人、合格率は23.1%とのことです。
合格された方、おめでとうございます。数ヶ月後には司法修習が始まりますし、勉強も継続していかなければならないと思いますが、今しばらくは合格の余韻に浸ってください。
結果が出なかった方、想いは様々でしょうが、機会があるのであれば、来年、捲土重来を期し、努力を続けてください。努力したことは無駄にはなりません。必ずあなたの血肉になります。

さて、この合格発表に関連して、試験の考査委員を務める教授が教え子に試験問題を漏えいしたというショッキングな事件が発覚しました。その教授は、国家公務員法(守秘義務)違反の嫌疑で、東京地検特捜部の捜査を受けているとのことです。

捜査中とのことなので、事実の真偽は分かりませんが、司法試験を受験した者からすれば、問題の漏えいをすることも、漏えいを受けることも到底考えられません。
いかなる理由があれ、考査委員が問題を漏えいすることなど言語道断ですが、受験生も、事前に問題や模範解答を知って合格できたとして、それでいいのでしょうか?
不正で合格しても、法曹としての未来はありません。仮に不正が発覚しなかったとしても、自分の中に不正した事実は残り、良心の呵責に耐えられないでしょう。
いろいろなことを犠牲にして、それまで勉強を続けてきた努力は、不正の誘惑に負けるほど軽いものではなかったはずです。

とても残念なニュースでした。二度とこのようなことが起きないことを切に願います。